「CGイメージ」表記の正しい入れ方|サイズ・位置・文言の実務ガイド
この記事のポイント
- バーチャルステージング画像の「CGイメージ」注記は、消費者が容易に認識できる大きさ・位置・文言の3条件を満たす必要がある
- ポータルサイト(SUUMO・HOME'S・at home)はそれぞれ写真コメント欄での注記を求めており、画像内焼き込みと併用が推奨される
- 注記漏れ・サイズ過小・位置不適切は景品表示法5条の優良誤認表示にあたるリスクがあり、ポータル掲載停止の実例もある
なぜ「CGイメージ」表記が必要なのか?
不動産広告でAI加工・CG合成した画像(バーチャルステージングなど)を掲載する場合、消費者が「実際の物件状態」と「加工後のイメージ」を区別できるようにする ことが法的に求められています。
根拠となるのは 景品表示法 第5条(不当な表示の禁止)、および 不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則 です。前者は商品・サービスの内容について実際よりも著しく優良であると誤認させる表示を禁じています。後者は不動産業界のルールで、施行規則 第9条第23号が CG・完成予想図等を「その旨を明示して用い」ることを求め、表示規約 第23条第1項第42号が写真・CG 等で物件の規模・形状・構造等を事実と違えたり実際より良く見せたりする表示を禁じています。
不動産業界の運用ルールの大枠は不動産広告の写真ルール完全ガイド、景品表示法と直罰規定の詳細は不動産写真のAI加工 景品表示法ガイドで別途解説しています。
注記がないとどうなるか?
- 景品表示法上の「優良誤認表示」にあたる可能性。措置命令、課徴金(売上の3%)、2024年改正後は直罰として100万円以下の罰金の対象
- 不動産公取協の表示規約違反として、警告・違約金(警告に従わない場合は最大500万円)
- ポータルサイトの掲載停止。SUUMO・HOME'S 等が独自のチェックを強化しており、AI生成画像の自動検知システム導入も進む
罰則金額よりも、ポータル掲載停止のほうが事業上のインパクトが大きいのが実情です。
「CGイメージ」表記に求められる3要素
表示規約・施行規則の規定と、各ポータルサイトの審査基準を踏まえると、注記には次の3要素が求められます。
1. サイズ(可読性)
注記は 本文情報と同等以上の可読性 で表示するのが安全です。施行規則 第9条第23号は CG である旨の「明示」を求めていますが、注記の文字サイズの数値基準は定めていません。なお、規約が「見やすい大きさの文字」での表示を求めている事項については、施行規則 第8条が「原則として7ポイント以上」と定義しています。CG の注記にこの数値が適用されるとは定められていませんが、消費者が見落とさない大きさにすることが「明示」の前提になります。
実務上は、画像幅に対して 3〜5% 程度の文字サイズ が一つの目安です。1280px 幅の画像なら 40〜60px の文字高さに相当します。極端に小さい注記は「ほぼ見えない」として認められないケースがあります。
2. 位置
注記は 写真と一体で表示されることを前提に、消費者が画像と注記を関連付けて認識できる位置 に配置します。
| 配置位置 | 評価 |
|---|---|
| 画像内下部に焼き込み | ◎ 最も確実。画像が切り抜かれてもセットで残る |
| 画像のすぐ下のキャプション | ○ ポータル側の写真コメント欄として一般的 |
| ページのどこかに小さく記載 | △ 関連性が薄く、見落とされやすい |
| 画像と離れた箇所・ページ下部 | × 不十分とみなされる可能性 |
ポータルサイトに掲載する際は、サイトの仕様で画像が単独で外部 SNS にシェア・スクリーンショットされることがあるため、画像内焼き込みのほうが安全です。
3. 文言
文言は「画像加工の事実」と「加工内容が実体を反映していない部分」の2点を含むのが安全です。
- NG例: 「※イメージ」だけ(何のイメージかが不明確)
- OK例:
- 「※CGによる家具配置イメージです。実際の物件には家具・調度品は含まれません。」
- 「※AIによる家具配置イメージ画像です。家具・調度品は価格に含まれません。現状優先とさせていただきます。」
「現状優先」の文言を入れておくと、内見時に画像と実物の差で問題になった際、書面上の防御ラインが一段明確になります。
ポータルサイト別の注記ルール
主要ポータルの注記運用は次のとおりです(各ポータルの掲載ガイドライン・運営会社のヘルプ情報に基づきます。最新の運用は各社の公式情報を確認してください)。
| ポータル | 写真コメント欄での注記 | 画像内注記 | 自動検知 |
|---|---|---|---|
| SUUMO | 必須(写真コメントに「CG加工によるイメージ画像」等を明記) | 推奨 | 運用中(強化傾向) |
| LIFULL HOME'S | 必須(イメージ画像である旨の記載) | 推奨 | 一部運用 |
| at home | 推奨 | 推奨 | 一部運用 |
| いえらぶ・楽待 等 | サイトにより異なる | 推奨 | サイトにより異なる |
SUUMO 等のメジャーポータルでは AI 生成画像の自動検知が進んでおり、注記がないと自動非掲載 となるケースも増えています。SUUMO 掲載時の写真テクニックはSUUMO掲載写真で反響を増やすテクニックで詳しく解説しています。
ありがちな運用ミス TOP3
実際の現場で起きやすいミスを3つ整理します。
ミス1: 写真コメント欄だけに注記を入れている
ポータルサイトの写真コメント欄にだけ「CGイメージです」と記載し、画像自体には注記がないケース。
この場合、画像が単独で SNS や見学者のメッセンジャーで共有された瞬間 に注記が剥がれます。お客様が「LINE で送られてきた画像」を見て、内見時に「写真と違う」と感じるトラブルの典型パターンです。
対策: 画像内にも焼き込んでおく。
ミス2: 注記サイズが小さすぎる
PowerPoint や Photoshop で手作業で注記を入れると、つい控えめなサイズになりがちです。3pt 相当のような極小サイズでは、CG である旨を「明示」したとは言いにくくなります。
対策: 画像幅の 3〜5% を目安にサイズを決め、テンプレート化する。
ミス3: 注記文言の不一致
複数物件を扱う中で、注記文言が物件ごとにバラバラになっているケース。「CGイメージ」「CG画像」「イメージ画像」「家具配置イメージ」と表現がブレると、社内チェック・社外監査の負荷が上がります。
対策: 注記文言をテンプレート化し、生成ツール側で固定する。
注記入りで出力して運用ミスを防ぐ
ルームAI では、ダッシュボードで AI 家具配置の生成画像を開き「テキスト追加」を ON にすると、注記を画像下部に入れた状態でダウンロード できます。初期文言は「※CGによる家具配置イメージ。家具・調度品は含まれません。現況優先。」です。ON/OFF と文言はブラウザに保存されるため、同じブラウザなら次回も同じ設定で使えます(ダウンロード時に ON を強制する設定はありません)。

上記サンプルは、文言を「※CG家具配置イメージ、家具は付属しません。現状優先とさせていただきます。」に編集して画像下部に入れた例です。文言は編集でき、チーム共通のテンプレートとして保存しておけるので、自社の規約に合わせて運用してください。
ありがちな運用ミス3つ(コメント欄のみ・サイズ不足・文言不一致)は、注記入りで出力し、文言をチームのテンプレートにそろえることで減らせます。複数物件を扱う事業者にとっては運用ミスの抑制になります。
まとめ
「CGイメージ」表記は次の3条件を満たすことが重要です。
- サイズ: 一般消費者が容易に認識できる大きさ(画像幅の 3〜5% が目安)
- 位置: 画像と一体で認識できる位置(画像内焼き込みが最も安全)
- 文言: 「CG/AI 加工であること」と「家具等が含まれないこと」の2点を明記
写真コメント欄だけに頼らず、画像内焼き込みと併用するのが現代の実務ではスタンダードです。
よくある質問
Q. 「CGイメージ」の注記は具体的に何 pt の文字で入れる必要がありますか?
A. CG である旨の明示(施行規則 第9条第23号)について、具体的な pt 数は定められていません。規約が「見やすい大きさの文字」を求める事項は施行規則 第8条で原則 7 ポイント以上とされていますが、CG の注記にそのまま適用されるとは定められていないため、消費者が見落とさない大きさにするのが基本です。実務上は画像幅に対して 3〜5% 程度の文字高さが目安です(1280px 幅なら 40〜60px 程度)。
Q. 写真コメント欄に注記を入れていれば、画像内に焼き込まなくても問題ありませんか?
A. 法的な最低要件としては、注記が画像と関連付けて認識できる位置にあれば成立しますが、画像が SNS や個別メッセージで単独共有された場合に注記が剥がれてしまうリスクがあります。画像内焼き込みと併用するのが安全な運用です。
Q. 「※イメージ」とだけ書くのは不十分ですか?
A. 不十分です。何についてのイメージなのかが消費者に伝わらないため、注記として機能しません。最低限『CG/AI 加工であること』と『家具・調度品が物件価格に含まれないこと』を明記してください。
Q. ポータルサイト掲載時の注記ルールは各社で違いますか?
A. SUUMO・HOME'S・at home いずれも『写真コメント欄での注記』が運用上のルールとなっています。SUUMO は特に AI 生成画像の自動検知を強化しており、注記がないと自動非掲載になるケースもあります。各社のガイドラインで最新の運用を確認してください。
Q. 注記文言は決まったテンプレートがありますか?
A. 公式に定められたテンプレートはありませんが、「CG である旨」と「家具・調度品が含まれないこと」を書いた「※CGによる家具配置イメージです。実際の物件には家具・調度品は含まれません。」のような文言が一般的です。『現状優先』を加えると内見時のトラブル防止に役立ちます。
Q. 違反した場合、最大でどの程度のペナルティがありますか?
A. 景品表示法上の課徴金(売上の3%)、2024年改正後は直罰(100万円以下の罰金)、不動産公正取引協議会の違約金(警告に従わない場合は最大500万円)、ポータルサイトの掲載停止があります。事業継続への影響としてはポータル掲載停止が最も重大です。
参考: 消費者庁「景品表示法」、不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」(施行規則 第8条・第9条第23号、表示規約 第23条・第27条)、各ポータルサイトの掲載ガイドライン。最新の運用については各機関の公式情報をご確認ください。
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